年収などの属性や返済負担率は問題ありませんが、社歴が浅いのが問題となります
(※このページは2020年2月15日に更新されました)
この記事は下記のような方へ向けて書いています。
●:過去ブラックリストで住宅ローンを検討している方
●:会社経営者で住宅ローンを検討している方
ケース:過去に遅延ブラックの会社経営者。3000万の住宅ローンは通るのか?
◆ケース
夫(35歳)が株式会社の代表取締役で、会社の業績も良いのですが、8年前に消費者金融の借金を延滞していましたが現在は完済しています。
夫の役員報酬は年1200万円で、会社は5年目で3年連続黒字で税金の滞納もなく順調です。
私(32歳)は大手企業で正社員として働いており年収300万程度です。
支払いの延滞等した事もなく、クレジットカードも作れます。
勤続年数がもうすぐ11ヶ月と短いです。
この場合、3000万程の住宅ローンを組む事は厳しいでしょうか?
回答:属性や返済負担率は合格ラインですが、社歴が浅いのが引っかかります。
ケースの質問から要点が4つありましたので、下記の4点に絞って解説していきます。
- 8年前に滞納した消費者金融の借金は住宅ローン審査に影響するのか?
- 現在の収入状況で住宅ローンの審査通るのか?
- 住宅ローンで重視される返済負担率とは?
- 会社代表者の場合の住宅ローンを通すためのポイント
1:8年前に滞納した消費者金融の借金は住宅ローン審査に影響するのか?
8年前に滞納されていた消費者金融の借金についてですが、現在は完済されており、また8年前とのことで、おそらくブラックリストからは消えているでしょう。
そのため今回の住宅ローン審査にはほぼ影響ないものと思われます。
2:現在の収入状況で住宅ローンの審査通るのか?
3,000万円を35年ローンで借りた場合、金利を1.5%とすると毎月の返済額は93,000円ぐらいになります。年間返済額にすると1,116,000円となります。
年間返済額1,116,000円 ÷ 年収12,000,000円 = 返済負担率9.3%
返済負担率は9.3%となりますので、返済能力としては問題ありません。
年収や属性も問題ありませんが、不安な点としては会社代表者であるという点です。
業歴が長い10年以上の会社なら問題ないのですが、業歴が浅い会社の代表者となると信用も薄く、将来性も詳しくわからないため、否決の原因になることがあります。
3:住宅ローンで重視される返済負担率とは?
返済負担率とは返済能力を測る基準となる数値で、年収に対しての年間返済額で計算(年間返済額÷年収)されます。
一般的には25%以下が妥当と言われていますが、フラット35の場合は35%以下としていると言われています。
住宅金融支援機構の調査では、返済負担率25%以内の人が多くなっているため、25%がひとつの目安となっていると思われます。
◆住宅金融支援機構の調査結果(2018年版)
参考:民間住宅ローン利用者の実態調査(2019年6月28日公表)
※クリックするとPDFファイルが開きます
4:会社代表者の場合の住宅ローンを通すための大きなポイント
会社代表者が住宅ローンを借りる場合の大きなポイントはたった1つです。
★会社の取引銀行(メインバンク)に住宅ローンの申し込みをすることです。
銀行担当者と懇意にしていていれば、なお良しです。
取引銀行には、会社の口座もあり役員報酬を振込む個人口座もあるでしょうから、会社の状況も個人の状況も把握しやすくなりますから、銀行としてはある程度知っている会社の社長なので信用度もあがるのです。
この記事へのコメントはありません。