(※このページは2020年2月22日に更新されました)
この記事は下記のような方へ向けて書いています。
●:総量規制について気になる方
●:自分の借りられる枠を把握しようとしている方
総量規制とは年収の3分の1まで借りられる規制のこと
消費者金融などで借入をしたことがある人は「総量規制」と言う言葉を耳にしたことがあるかと思います。
総量規制は、簡単に説明すると「年収の3分の1まで借りられる」規制のことをいいます。
正確には、消費者金融などの貸金業者が貸しすぎないように規制するためのもので、「年収の3分の1まで”無条件で”借りられる」という意味ではありません。
そのため年収の3分の1までまだ枠があるから借りられる!と勘違いしないようにしてください。
借りられるかどうかは勤続年数やその他の借入の状況など総合的に判断して審査が行われますので、年収の3分の1までは無条件に借りられるという意味ではありません。
総量規制は、あくまで貸金業者を規制するためのもので、年収の3分の1以上借りているからと私たち借主側に罰則はありません。
総量規制の計算と年収に含まれる収入の範囲とは?
総量規制の「年収の3分の1」の計算方法は下記のとおりです。
◆年収の3分の1の計算方法
年収 × 3分の1(0.333333) = 総量規制の枠
ここでいう年収とは、通常は給与の額面(税金等控除前の金額)をいいます。
手元に源泉徴収票をお持ちの場合は、左上の方にある「支払金額」を確認してください。この支払金額が給与の額面金額となります。
また、年収に含まれる収入としては下記のようなものがあります。
◆年収に含まれる収入の範囲
・給与
・年金
・自営業の場合は、事業所得の所得金額(売上ではありません)
ここで間違いがちなのが自営業の方の場合の年収です。
よく売上と勘違いしがちですが、売上は年収ではなく年商です。自営業の方の場合は事業所得の所得金額(青色申告特別控除後の金額)をいいます。
貸金業者はどうやって私たちの年収と借入額を把握するのか?
総量規制では年収の3分の1までとなっていますが、貸金業者の方たちは私たちの年収をどうやって把握するのか疑問がうかびます。
年収の把握方法
例えば消費者金融の場合、申込時にだいたいの年収を記入します。借入希望額によっては収入証明書(源泉徴収票など)の提出を求められますが、これによって私たちの年収を把握しているわけです。
この情報は信用情報などで共有されず、消費者金融等の社内書類として保管されるため、他の消費者金融で申し込んだ場合は再度、年収の申告や収入証明書の提出を求められることになります。
借入額の把握方法
貸金業者は信用情報機関を通して情報を共有しています。
私たちが借りた金額や借りた会社、返済状況などは信用情報機関を調べればどこからいくら借りて残債がどれぐらいあるのかなどを把握することができます。
申し込み時に他からの借入金額を少なく申告しても、すぐにバレますので正直に書くようにしてください。
年収の3分の1以内だったら誰でも審査にとおるのか?
これは上記でもご説明しましたが、念の為再度書いておきます。
年収の3分の1以内であっても、誰でもは審査に通りません。
総量規制は「年収の3分の1以内だったら無条件に借りられる」規制ではなく、貸金業者の貸しすぎを防止するための規制です。
年収の3分の1までだったら誰でも審査に通ると思われがちですが、審査に通るかどうかは別問題なので、混同しないように気をつけてください。
年収の3分の1を超えているから、これを理由に審査に落ちるケースはあります。
総量規制の対象となる貸金業者とは
貸金業者とは、消費者金融やクレジットカード会社などをいいます。
銀行や信用組合、信用金庫、労働金庫などの金融機関や信販会社などは貸金業者ではありませんので、これらが行う融資や割賦販売などは総量規制の対象になりません。
総量規制の対象となる借金と対象外になる借金
総量規制には対象になる借金と対象にならない借金があります。
貸主ごとに取り扱いが違いますので、ここからは個別に解説していきます。
消費者金融からの借金
消費者金融からの借金は、基本的にはすべてが総量規制の対象となりますが一部総量規制の対象とならない借金があります。
おまとめローンは総量規制の対象外
おまとめローンとは、複数社からの借入を1つにまとめて返済期間を長くして返済を楽にするものです。
おまとめローンは、総量規制の対象外の借入となり、年収の3分の1を超える借入も理論上は可能となります。
”理論上”と書いたのは、おまとめローンは総量規制対象外ですが、だからといって審査もフリーパスという意味ではなく、審査で返済不能と判断されれば借入はできないことになります。
おまとめローンは、”顧客に一方的有利になる借り換え”と位置づけられ総量規制の例外貸付とされているため、総量規制の対象外となっています。
個人事業主が借りる事業資金は総量規制の対象になる
個人事業主が消費者金融から借りる事業資金は総量規制の対象になります。
通常、消費者金融から事業資金を借りている時点でビジネスとしては破綻しているのですが、個人事業主の場合は、事業所得の3分の1までの総量規制の対象となります。
法人が消費者金融から事業資金を借りる場合には総量規制の対象外となります。
◆消費者金融の審査についてまとめた記事
参考:消費者金融の審査に落ちる4つの理由と3つの審査対策
クレジットカード会社
クレジットカード会社の場合は、利用方法がショッピングとキャッシングに分かれますが、総量規制の対象になるのはキャッシングとなります。
ショッピング利用は総量規制の対象外
ショッピングとキャッシングは一つのクレジットカードが持っている機能ですが、ショッピング利用に関しては総量規制の対象外となります。
そのため、具体的には翌月払いや分割払い。ボーナス払い・リボ払いなどは総量規制の対象外となります。
キャッシングは貸金業法が適用されるため総量規制の対象となりますが、ショッピングは割賦販売法が適用されるため、総量規制のおよぶ範囲ではないため対象外となるのです。
リボ払いは総量規制の対象外
上記でも説明しましたがリボ払い(リボルビング払い)は総量規制の対象外となります。
ただし、オールOKというわけではなく、クレジットカード会社の途上与信の時点で総量規制の枠を超えている場合には、リボ払いの限度額の縮小などの処置が取られることがあります。
この場合、限度額を超えるものは一括返済にならず、単に限度額以下になるまでは新たなリボ払いが利用できないことになるようです。
信販会社が行う割賦販売
信販会社がおこなうローンは、ショッピングクレジットと呼ばれ割賦販売法が適用されるため、総量規制の対象外となります。
ただし、信販会社が行うキャッシングやカードローンは貸金業法が適用されるため、総量規制の対象となります。
銀行・信用金庫・労働組合などの金融機関
銀行などの金融機関のカードローンやその他のローンは、すべてが総量規制の対象外となります。
銀行などの金融機関は貸金業法が適用されず、銀行法が適用されるため、総量規制がおよぶ範疇ではないため、銀行がおこなうすべての行為は総量規制の対象外となります。
車のローンや教育ローン、カードローンなど一切の融資は総量規制の対象外となります。
総量規制に関するよくある質問
総量規制に関するよくある質問をご紹介していきます。
詳細内容についてはリンク先の記事で詳しく紹介しておりますので、気になる記事がありましたらお読みください。
消費者金融の総量規制によくある質問
消費者金融と総量規制に関してさまざまなケースを紹介していきます。
ケース紹介:アコムのカードローンは総量規制の対象外ですか?年収の3分の1まで借りられるので消費者金融で枠をつかいたくありません。
◆ケース
現在、1社から30万借入中ですが、もっと借りたいので、新しくアコムに申し込もうと思っています。
カードローンは総量規制の対象外と聞いたのですが、アコムも総量規制の対象外になりますか?
年収250万ですが、3分の1まで借りられるので、できるだけ消費者金融で枠をつかいたくないと思っています。
このケースでは、アコムは総量規制の対象外と勘違いされていて、かつ総量規制を借入可能枠と勘違いされているダブル勘違いのケースをご紹介します。
ケース紹介:総量規制をオーバーしていますが罰則はあるのでしょうか?また枠内融資は受けられるでしょうか?
◆ケース
5年前に中小消費者金融の2社からあわせて100万の融資を受けています。
年収は250万円ですが総量規制の年収の3分の1を超えて融資を受けています。
この場合、罰則はあるのでしょうか?
また、現在A社は枠50万円で現在24万円の残債。B社は枠70万円で現在65万円の残債ですが、総量規制をオーバーしている場合に、枠内の融資はしてくれるのでしょうか?
このケースでは、総量規制をオーバーして借入をすると罰則があるのか?総量規制をオーバーしている状態で枠内融資は受けられるのか?などの疑問を解説していきます。
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